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スタッフコメント"

原作:成田良悟

ありがとうございます! ありがとうございます……!

と、一期の際のコメントと同じ出だしで恐縮ですが、今回こうして『デュラララ!!』の二期が決定したのも、応援して下さった視聴者の皆さんをはじめとする、多くの方々のおかげです……!

申し遅れました。私はこの『デュラララ!!』というアニメにおいて、原作という部分を担当させて頂いている成田良悟と申します。

いよいよ二期です。本当にお待たせしました……! そして私自身も待ち侘びておりました! 何しろ、前作の放映から4年半。丁度5年目に放映開始という形になるわけですが、数年前から既に二期の話は動いておりました。しかし、長い道のりだったと待ち侘びたのも今は昔、気付けばもはや放映まで数ヶ月となっております……!

一期については、『このシーン、アニメではどうするんだろう』と思っていたシーンなどを、私の想像を遙かに超える形で動かして頂き、声優とスタッフの皆さんが織りなす都市伝説ならぬ都市ファンタジーをガッツリと楽しませて頂きました……!

そう……一期の時のコメントで、『原作より凄いもの持ってこられたらどうしよう、コワイ!』と怖れおののいていた私ですが、実際にアニメを見た感想はどうだったかというと――『ままま、まずい、原作が負ける! 書かないと……こっちも面白い作品を書かないと……!』という、拙作『バッカーノ!』のアニメを見た時とまったく同じ焦燥にかられる結果となりました。まったく予想通りです。いえ、寧ろアニメスタッフの皆さんが、予想を超えた『デュラララ!!』を作ってくださった結果と言えるでしょう。

『う、う、動いてる……! 映像では喋れないから動かしづらいだろうと思ってたセルティが、アニメの中で躍動感を振りまきながら確かに生きてる……! 私は小説の文章でここまで生き生きと「首無しライダーの表情」をつける事ができているだろうか? いや、その答えを自分で出してしまうと、恐らく一歩も前に進めなく――――』という葛藤を繰り返した結果、私は『アニメはアニメ、原作は原作』と割り切る事で心の平穏を保つ事にしました。普通『アニメはアニメ、原作は原作』などという台詞は、原作のイメージと違ったら吐くべきものなのに、まさか『原作のイメージ通り+アルファ』を見せつけられる事で使う事になるとは思ってもいませんでした。

そして、私は今も怯えています。

5年という歳月の間、大森監督をはじめとするスタッフの皆さん、そしてキャストの皆さんは着実に経験を積み、以前よりも更にレベルアップなさっている状態です。そんな彼らが前よりも長い期間をかけて作り上げたアニメ二期、いったいどんな凄いものができあがってしまうのか……そう怯えつつ、そわそわと放映を待ち続けている今日この頃です。

同時に、原作者という立場を離れた一視聴者として、二期のアニメを本当に楽しみにしている自分もいます。

一期を楽しんで下さった皆さんとも、これから一期と纏めて楽しんで頂く皆さんとも、あるいは『取りあえず二期から見ようじゃないか』という皆さんとも、今後、同じ視聴者として共にこのアニメを楽しむ事ができれば幸いです!

ありがとうございます! ありがとうございます……!

成田良悟

監督:大森貴弘

あれからもう5年? 時の経つのは残酷ですね。おじさんはもうすっかり老眼も進み、最近はかなり記憶力が怪しいです。だから、今作では介護の人を雇いまして、逐一チェックしてもらいながら、制作に励んでます。だからバッチリです。ホントです。打ち合わせで全然違う事を口走っても、ハイハイ、おじいちゃん、そこはこうですよ、って導いてもらってます。ホントです。腹減った、と言ったら、さっきお昼食べたでしょ、とツッコんでもらってます。ホントです。

けれど、登場人物たちの時間はあれから止まったままです。それが漸く動き出します。いや、既に僕の目の前では動き出してます。漆黒の妖精も、非日常に憧れる少年も、人間以上でありながらより人に近い事を望む彼も、人間を愛して病まないあいつも、望まぬ刃を内に秘める少女も、誰よりも純粋で、人に誠実でありたいと望むからこそ、遠く離れている少年も、エトセトラエトセトラ……。

そんなキャラクターたちがまた、一堂に集い、地上の電波を揺るがします。以前はアナログだったけど、今はデジタル波の上を。

どうか皆の衆、正月早々、画面の前で待機して頂きたい。出来れば裸でな! それがダラーズの証、とココで宣言いたしましょう! どうぞよろしく!!!

大森貴弘

シリーズ構成:高木 登

『デュラララ!!』第二期を分割三クールでお届けすることになりました。これもひとえにファンの皆様のご声援のおかげです。ありがとうございました。

自分がシリーズ構成を担当する作品で続編を手がけるのは実は初めてのことだったのです(『黒子のバスケ』がありますが、企画の立ち上がりはこちらの方が先でした)。ありがたい話ではありますが、少々困ったのも事実で、なぜなら毎回「これが最後」と思ってやっているから。「次」があると考えたことがないのですね。

成田さんの紡がれた原作があるものの、シリーズとして第二期をどのように開幕しようか、すこしばかり悩みました。悩んだ結果はぜひ番組でご覧ください。「その後」であると同時に「はじまり」でもある導入部。自分としてはこれ以外考えられませんでした。

多くの方に愛されるシリーズに関われることは一脚本家として幸せです。本シリーズは、原作を愛する方、前シリーズを愛する方、各キャラクターを愛する方、皆さんにご納得いただける最良のかたちでお届けできるのではないかと思っています。どうかご期待ください。

高木 登