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虎は死して皮を残す

#32

殺し合いの決着をつけようと、臨也と静雄は相対する。街は“罪歌憑き”で溢れかえり、門田や狩沢にも危険が迫る。“罪歌憑き”を街に放った那須島は、静雄への切り札にしようと、田中トムに標的を定め、千景からの電話を受けた帝人は、正臣との再会に向け静かに決意を固めていた。そしてついに、セルティが“首”を取り戻し――。

「虎は死して皮を残す(とらはししてかわをのこす)」

「虎は死して皮を留め、人は死して名を残す」。虎が死後に美しい毛皮を残すように、人もまた死後にりっぱな名を残すように心がけよということ。(出典:ことわざ辞典)

「名声なんて僕は興味がないけどな。死ぬまでセルティの傍にいられる。それだけで充分さ」